まず白米ありき

とりとめないこと

自衛隊を考えている腐女子

ふと思った。自衛隊への入隊を考えている腐女子はいるだろうか?

もしいるならこの記事が何かの参考になればいいなと思う。最初もっとはっちゃけたテンションで書いていた記事があったけど、話がめっちゃ横道にそれたので消してしまった。なるべくシンプルに纏められたらいいな。

ヤベエと思ったら事前予告なく記事は消えるし、私は普段ブログを書く人ではないので、管理も書き方も大層杜撰だ。あとぶっちゃけ原稿もやばい。これはテスト前にいきなり掃除をしだす学生と同じ心理で書いている。

あと最初に言っておくけど、この記事は長いし、特に項目わけもしてない。時間がある時にどうぞ。

 

私は自衛官だった。四年間ほど勤めた、自衛官候補生からの入隊だった。

自衛官になりたい腐女子なら、ネットの海を泳ぐことに慣れているだろうし、説明とかいらないと思うけれど一応ざっくり説明する。

自衛官には道が結構あって、中学高校を卒業した人たちはその中でも「自衛官候補生、一般曹候補生防衛大学」の中のどれかを選ぶことになる。

防衛大学は頭と体力を同時に要求され、尚且つとても厳しい戒律に身を置く恐ろしい環境だ。話を聞くだにぞっとするし、防衛大学はそもそも幹部を育成する場所だ。なのでけた外れに優秀な人を除く大体の人は、候補生か一般曹のどちらかの試験を受けると思う。

二つの違いは、

 

一般曹:永久雇用が約束されたルート。曹試験に少し猶予がある

候補生:雇用期間が決まっているルート。曹候補試験に受からないと、最大六年間で強制的に解雇される

 

だと思う。他にも満期金とか、試験とか色々あるけど、ここが一番大きいんじゃないかな。私の認識の話なので、違ったらスルーしてほしい。

私は一年専門学校に通って、紆余曲折あって自衛官候補生に合格した。もう二度と戻りたくないと思う新隊員教育を受けて、さらに職種教育を受けて、とうとうある部隊に入隊した。部隊内で小さな異動はあったけど、私は同じ場所で四年ほど働いて、2018年3月に任期満了退職と相成った。

 

オタクに自衛隊はそこそこ優しい。自衛隊がというか、環境が優しい。

私はオタクで、腐女子で、二次創作をしていて、そして入隊したその年にハマったアニメジャンルにやられて人生で初めて同人誌を出した。

さすがに同人誌を出していることは言わなかったけど、腐女子でオタクというのは同期にはすぐバレてしまったし、FGOにヒくほどブッ込んでいる同期(「ピップアップ?出るまで引けば確定ガチャだから実質無料」が名言だった)とマギレコにヒくほどブッ込んでいる同期(「☆5を揃えられねえ奴には人権がない。俺が認めない」が名言だった。彼は当時ジャンヌが引けず人権を失った)がいて、アニメも漫画もある程度話ができてそのあたりはそこそこ楽しかった。

パリピかましガールズバーでヒャッハーしてるヤンキーの集まりばかりではと怯えたけど、勿論そういうのもいたけれど、そういう人ばかりではなかった。ライトなオタクから重課金兵のソシャ廃、Vチューバーにドハマりするやつ、歌ってみたを投稿する後輩、色んな人がいた。

でも腐女子はいなかった。もっと正確に言うと、自分と性癖とテンションとノリが合致する腐女子がいなかった。こればかりは仕方ないし、むしろ腐女子が一人いただけでも奇跡だったな、と今なら思う。

 

2014年7月、あるアニメにどハマりした。訳が判らないほど萌えて、半ば怒りの気持ちを抱きながらツイッターピクシブであらぶりまくっていた。

そんなある日、貴様ちゃんが突如としてあるアナウンスをした。自ジャンルのオンリー告知だった。

当時の貴様ちゃんは私の観測範囲では大きなもめ事を起こしていなかった。ジャンルにトチ狂っていた私は、ここで人生で初めての同人誌発行を決意した。この時は自衛官生活一年目で、下っ端の私は目を回して異様な倦怠感と共に生活していた。

自衛官の独身者は、寮に住む決まりがある。中でも女性専用の寮は、住む階ごとに細かい取り決めがあり、後輩が来るまでの一年間は「24時間働けますか?」というキャッチコピーが脳内で常に踊っていた。

朝6時に起きて23時に就寝するまで、何かあれば呼び出されたりパシられたりしていた。「呼び出されませんように」という祈りを抱きながら、私は営内(寮のこと)に持ち込んだ私用PC(申請すれば持ち込めるが、資格取得のためなどもっともらしい理由が必要だった。申請しない規定規格外の電子機器持ち込みは闇と呼ばれた。私のPCも闇PCだった。本当は駄目です)で先輩の視線から逃れるように原稿をした。こういうとき、画面が見られても逃げ場がある文字書きでよかったな、と思った。

そんな環境だったが、原稿は無事完成した。 最終的に所属している間に9冊作った。

 

自衛隊の福利厚生は常に凄い。任意保険も入ろうと思えば入れるし、団体保険やら入院保障などは入隊と同時にくっついてくる。還付金も複数の保険会社からちょっといい飲み会ができる程度に戻ってくる。

休みも凄い。夏季、冬季休暇があり、土日祝日は原則休み。勿論演習などではこの限りではないが、働いた分は振り替え休日が専用の紙で管理される。それとは別に、一時間単位で管理される「年次休暇」という制度もある。振り休がなくなり次第年次を消化することになる。

が、振休が無くなるのはまずありえない。

部署や地方、所属部隊によって忙しさは異なるが、私の所属していた部隊はクソほど忙しかった。

陸自で九州で前衛職種。これはもう地獄のコンボである。

当時私のいた部署は部隊改変を控えていたので、人はいなくなるのに仕事は増えるし、演習は秋~冬にかけてアホかというくらい予定されている。上の人間は皆馬鹿なんじゃないかと愚痴で盛り上がりまくったし、酒は皆アホほど飲んでいたし、飲み屋のビールジョッキは割れた。

 加えて、当直制度がある。幹部・曹・士の三人態勢で月朝~木朝、木朝~月朝の周期で基地や駐屯地の見回りをする。木曜からつくと、自然と土日はなくなる。

また、私がいた所は人がいなかったので、本来貰える月曜の振り休は与えられなかった。同じ当直の幹部と曹が休んでいなかったりすると、下っ端の士は休みを言い出し辛くなるし、曹が休めるよう取り計らってくれても、専任(中隊の管理全般をざっくり請け負う人。准尉とかがなる。休みとかはこの人に申請する)の機嫌一つで受理されなかったりする。こういう所はクソ。

もっとクソなのが待機制度である。仕方ないのだ。敷地内が火事になったり、突如災害やテロが起こった時の為に動ける最低人員を確保しておくのは当たり前なのだ。それは理解できる。理解できるが気持ちと納得は別だ。 

待機人員は営内者から選ばれる。先輩の独身の曹は皆何食わぬ顔で出ていくので、受け持ちは自然と士の役割になる。そして専任士長クラスがワガママでワンマンで使えない(私の当時の先任士長はこのクソコンボをキメてくれた)と、七人くらいで一日の待機ノルマ三人を一週間ローテすることになるのである。そして当直でさらに抜けていく。馬鹿じゃないのか。

当時私の所属する中隊の陸士は、二ヶ月駐屯地の外に出れないなどザラだった。これが冬と夏にあるイベント時期に被らないよう、私は必死だった。原稿はストレスで却って進まなかったように思う。

実家に帰れる方がいいと思って、そのあたりに拘るとこのへんで痛い目を見る。

車で二十分程度なのに、バスや電車を使って帰れるのに、外に出れない。

このもどかしさは実際に味わうとかなりキツい。先輩がキツいと休日彼女と遊んだ自慢などをしてくるので本気で殺意が湧く。

お前のイチャラブセックスタイムは後輩の時間を犠牲にしてできたんだからその無駄撃ち精子コンドームごと口の中に突っ込むぞと思ったのも、一度や二度ではなかった。

 

自衛官になると、率直に言って自分の時間が無くなる。旧態依然としたパワハラは恐らく一般企業より深く根付いていると思うし、セクハラは偉い人からというよりも、年の近い先輩からの方が多い。

24時間常に誰かが視界に入るし、他人の寝言で起こされるのも珍しくない。

でもそのあたりを許容できるなら、オタ活に専念しても尚余る金が手に入る。貯金もできるし、原稿が間に合うなら同人誌だって出すのに困らない。衣食住が保障されて、適度に暇のある部隊に所属できれば、上記の外出に関する悩みも全く感じないと思う。

 

自衛官を考えている腐女子に、何か参考になればと思って、とりあえず制度と、オタクがいるということ、同人誌を出せること、外出にかかわることをざっくり書いた。

ここまで読んでくれた人は、ありがとうございます。読みづらい文章でごめんなさい。

質問は答えられないかもしれないけど、気付いた時に返答します。なんでもそうだけど、趣味の為に仕事をしていると言えるくらい両立出来たら素敵だし、楽しいよね。

何かあなたの欲しい情報があったら嬉しいです。